Q
特許になる発明って、どんな発明ですか?
A

特許が認められるための要件は「特許要件」と呼ばれ、
①発明であること・産業上利用できること
②新規性があること
③進歩性があること
④準公知でないこと
⑤公序良俗に反しないこと
⑥先願がないこと     が挙げられます。

特に、②新規性、③進歩性が重要です。

特許要件とは?

特許要件とは、特許を受けることができる発明の要件です。

  1. 発明であること・産業上利用できること(発明該当性・産業上利用可能性があること)
  2. 新規性があること
  3. 進歩性があること
  4. 準公知でないこと
  5. 公序良俗に反しないこと
  6. 先願がないこと

発明該当性があること
「発明」であることを言います。

「発明」といえるためには、「自然法則を利用した技術的思想の創作」である必要があります。例えば「万有引力の法則」などの自然法則自体は発明に当たりません。また例えば自然法則を利用していない「ゲームのルール」や、技術的思想ではない「フォークボールの投球方法」は、「発明」に当たりません。

産業上利用可能性があること
発明が一般産業として実施できるものであることを言います。例えば「人間を手術する方法」といった医療行為は、産業上利用可能性がありません。

新規性があること(公知でないこと)
発明が客観的に新しいものであることを言います。
論文発表や文献で既に知られてしまっている発明は、「公知」発明と呼ばれており、新規性がない発明です。ただし、新規性を失っても、一定要件下で新規性を失わなかったものとして審査してもらうことができる規定(新規性喪失の例外の適用)もあります。

進歩性があること
発明が容易に考え出すことができないものであることを言います。

準公知でないこと
自分の発明が、先に出願され、いずれ公開される他人の発明と同一でないことを言います。
このような他人の発明は、まだ公開されていないため、「公知」とは呼べず、「準公知」と呼ばれています。「準公知」は、違う切り口から「拡大先願の地位」と呼ばれることがあります。

公序良俗に反しないこと
「公序良俗」とは、「公の秩序」と「善良の風俗」の略で、社会秩序を乱すものや道徳に反するものです。例えば「遺伝子操作により得られたヒト自体」や「専ら人を残虐に殺戮することのみに使用する方法」は、これに当たります。

先願がないこと
出願についての特許要件には、同じ発明が先に出願されていないこと(先願がないこと)があります。
つまり特許とは、早く出した者勝ちなのです。

新規性、進歩性が特に重要

1つでも特許要件を満たさなければ、審査が通りません。拒絶理由通知または拒絶査定がきます。
特に新規性、進歩性の欠如が拒絶理由として多いです。これから特許を出願しようとする方は、自分の発明に新規性と進歩性があるかをまず検討するようにしましょう。
なお、上述した特許要件の他にも審査に通るための要件があります。これらの要件は出願書類を作成するときに気をつければ良いです。